「良かとこ」アピールで9割の契約
アクセスが絶望的に悪いバイク用ガレージが「良かとこ」をアピールして2庫の契約が半年で10庫に増加
この事例の具体的な流れ
- こだわりのバイク専用ガレージは立地が絶望的に悪かった
- 不動産サイト利用や普遍的なweb広告ではお問い合わせがほとんどなかった
- ガレージやオーナーの「良かとこ」を一緒に深掘
- 顧客の不安を払拭するための施策も合わせて「良かとこ」を見える化
- 契約者が1人まで減った後、半年で10庫の契約を獲得
どのようなプロジェクト?
バイク用ガレージオーナーの木村さんは、ご自身の趣味である「バイク」をもっと楽しみ、同じようにバイクを楽しみたい人用のガレージを長崎市の蛍茶屋電停から徒歩10分ほどの場所に作りました。
不動産会社に仲介依頼をして、大手不動産紹介サイトにも複数登録し、契約を今か今かと待っていました。しかし、契約者は多くとも3人ほどで、さらに契約者の引っ越しなどもあり、12庫あるガレージは2庫しか契約が取れていませんでした。
不動産サイトの以外での集客を考えていた木村さんは、web広告の出稿について相談に来てくださいました。
うまくいかなかった理由
木村さんの駐車場集客の相談を受け、ガレージの状況を含めて市場調査を行い、以下のようなことがわかりました。
- ガレージのレンタル料金が相場より30%ほど高い
- 駅近だがアクセス途中に細い道があるため車で近くまでいけない
- ガレージの紹介ページで「売り」ポイントが記載されていない
- 集客方法は不動産サイト掲載のみで「待ち」の姿勢だった
本格的なweb集客をする前に、テスト運用として行った対策は以下のようなものです。
- ガレージのレンタル料金を相場付近まで下げる
- Googleマイビジネスにガレージを登録
- ガレージ紹介・契約用のLP(ランディングページ)作成
- SNS広告によって潜在層にアピールする「攻め」を実施
これらの施策によって一定のアクセスがあり、バイク用ガレージに興味がある人がいることは把握できました。しかし、これだけでは契約はもちろん問い合わせにも繋がりませんでした。
具体的な「良かとこ」の抽出
ここで、木村さんのガレージについて、他のボックスガレージや駐車場などとは違った独自の「良かとこ」や、ターゲットとなる顧客層の考えについて一緒に深掘りしました。その結果出てきたのは、以下のようなことです。
木村さんやガレージの「良かとこ」
・木村さんはハーレーオーナーでハーレーも余裕で入るガレージ設計にした
・ガレージで改造や充電もできるように「ライト」や「コンセント」も設置した
・ガレージの敷地に入るスロープは強固な設計にした
・ガレージはイナバ製の頑丈なものを使用
・敷地には人感センサーライトや水道も完備
・木村さんはバイク(特にハーレー)乗りの気持ちがよく分かる
・木村さんは人懐こい笑顔で相談もしやすそうな人
など
借り手側の不安点
・レンタル料金が自分の許容上限金額より安いか
・レンタル料金が相場よりコスパがいいか(付帯設備など)
・自分のバイクがそもそも駐車できるか
・盗難などの危険はないか
・アクセスが容易か
・オーナーが相談しやすい信頼のおける人か
など
これらの抽出結果をもとに、木村さんのガレージの「良かとこ」をきちんと借り手に伝えつつ、借り手側の契約基準のクリアや不安点の解決のための施策を新たに加えました。
「良かとこ」を活かした実施施策
木村さんのガレージの「良かとこ」を気づいてもらい、借り手側の不安を払拭するために行った施策の一部が以下の通りです。
・木村さん自身や所有しているバイクをガレージ紹介ページや広告に掲載
→入庫できるバイクのイメージ把握とオーナーへの不安払拭
・ガレージの機能をバイク乗り目線で紹介
→コスパ見極めの判断材料提供とオーナーのこだわりの開示
・ガレージのマイナス面は隠さずに表示して解決案も提示
→アクセスなど変えられない問題点は素直に提示し使い方を示す
これら以外にも、広告やGoogleマイビジネスにテコ入れをしていますが、メインの変更点は以上の3つです。
結果
ガレージ集客のための改善施策を決めた後は、「良かとこ」を見える化して再度SNS広告などで攻めのアピールを行いました。
この時、広告の画像はもちろん、LPのクオリティをプロデザイナーレベルに上げるなどの施策は行っていません。あくまで、「良かとこ」を明確に伝えて「借り手の不安」を払拭するための構成に変更しただけです。
web広告費はテスト出稿と同様1ヵ月で5,000円程度でしたが、広告へのお問い合わせ数は増加し、約半年で10庫が埋まりました。お問い合わせに対する成約率が高かったのは、オーナーの人柄やガレージへの満足度が高かったことも要因の一つとして考えられます。
現在は広告出稿を停止し、お客様の更なる満足が得られるような設備の増強やGoogleマイビジネスの充実などの施策を行っています。